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シロアリが原因で住宅が倒壊する事もあるほど、その被害は深刻さを増しています。
実際、阪神淡路大震災の時に、倒壊の要因で一番多かったのが、シロアリだったと言う事実もあります。
さて、このシロアリとは一体何者なのでしょうか。
シロアリの生態について説明したいと思います。
名前からすると「アリ」の仲間と思われますが、実はアリの仲間ではなく、シロアリという独立したグループに属する昆虫です。
その祖先はゴキブリと同じで、近縁にあたりますが、同じ仲間ではありません。
シロアリは3億年程前に現れたと考えられています。
現在2000種以上も存在するシロアリですが、日本の生息しているのは11属21種と言われています。
その内、住まいの大敵として問題視されているのは、「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」の2種類です。
「ヤマトシロアリ」は、北海道北部を除く日本全国に生息しており、関東地域で見られるシロアリのほとんどはこの種類です。
ヤマトシロアリは巣を作りません。
湿潤な木材内部を、集団で移動しながら生活します。
「イエシロアリ」は、千葉県より西の温かい沿岸地域に生息します。
ヤマトシロアリとは違って、建物の下や土の中に巣を作ります。
その数は数十万匹単位とも言われており、大変大きな巣となります。
ヤマトシロアリは、湿潤な木材のみではなく、乾燥した木材でも、自ら水を運んで巣食いながら加害していきます。
シロアリは春(ヤマトシロアリは4〜5月頃、イエシロアリは6〜7月頃)になると、新しい巣を作るために飛び立ちますが、新しい繁殖地が決まると、成虫が持つ4枚の羽根は全て落ちてしまうそうです。
シロアリの社会は、蜂と同じような階級制となっています。
女王アリや王アリ、全体の95%を占める働きアリや、外敵からの防衛に当たる兵隊アリなど、それぞれに役割分担がされています。
シロアリは、セルロースをエサとします。
このセルロースは、植物の主成分であり、特に木の幹に多く含まれています。
突如、自然界に人間が侵入して木を次々と伐採。
これによって食物を奪い取られたシロアリが食を求めた結果、家に使われている木材に辿り着いたと言う、皮肉な結果を招いたのです。
このように宿命的な関係にあるシロアリですが、被害に遭わないためにはどうしたらよいのでしょうか。
防蟻(ぼうぎ)処理には大きく分けて二つの方法があります。
一つは土壌処理といって、床下の土壌に薬剤を散布する方法です。
シロアリは地中から侵入してくると言う習性を持ちますので、その通過点となる床下の土壌や基礎の内側に防蟻剤を散布して侵入を防ぎます。
また、基礎の内側の土壌表面や、土台と基礎の間に防湿シートを敷くのも効果的です。
要は乾燥した状態を保つ事が、シロアリの侵入を防ぐ上で大切ですので、上記の方法を併用すると最も効果的と考えられます。
もう一つの方法は、木部処理といって、使用する建材にあらかじめ薬剤を塗布・散布する方法です。
しかし、どちらの方法も、使用する防蟻剤による人体への悪影響が懸念されています。
特に、有機リン系のクロルピリホスは、めまいや痙攣などの中毒症状が確認された他、周辺の環境への影響も考えて、建築基準法の改正により、現在使用が禁止されている薬剤のひとつです。
できれば、木酢液など天然素材が原料となっているものや、非有機リン系の薬剤の使用が良いと思われます。
しかし、天然素材の中でも、安全性などが確認されていない物もありますので、社団法人 日本しろあり対策協会で認定されているかどうかを目安に考えるのが一番です。
シロアリ駆除を業者に頼む時など、使用薬剤を事前に確認するようにしましょう。
また、こうした駆除対策も、業者などの説明によりますと、持続効果は5年と言われているそうです。
5年ごとに同じような処理を施さないといけないとは、なかなか大変なものです。
本来は、シロアリが好まない環境作りをするのが、一番人にも自然にも優しい対策なのではないでしょうか。
シロアリは暖かく、日の当たらない湿った場所を好みます。
この条件に適合するのが、床下やキッチン・浴室などの水周りです。
こうした場所の水漏れを放置するのはもってのほかで、シロアリを自ら招いている行為になりかねません。
まずは通気性をよくすることが大前提ですので、換気扇の周りに通気を遮る物を置かない、家の周りに不要な木材・木片を置かないなど、周囲の環境整備が必要です。
また、シロアリに強いとされる木材を使用建材に選ぶのもよいとされます。
ヒバ・ヒノキなどが被害に遭いにくいといわれている木材です。
こうしてみると、木造住宅だけがシロアリの被害に遭うという印象ですが、では鉄筋コンクリートの住宅はどうなのでしょうか。
実は、鉄筋造りの住宅でも被害に遭うことがあります。
なぜかと言いますと、シロアリは、好物である木材の近くにあるコンクリートなどをかじる事もあるからです。
コンクリートのみならず、たたみやケーブルなどもその餌食になったと言う報告もあります。
また、鉄筋住宅でも、内装に使われている木材が被害にあうと言うケースもあります。
鉄筋だからといってまるっきり安心はできないのですね。
一説によると、シロアリの被害は、地面から1.5メートルくらいまでが一番多いとされています。
この事から、床下に木以外のもの(金属など)を使用することも、シロアリを防ぐ有効な対策の一つと言えます。
以上をまとめますと、シロアリが好まない通気性のいい環境を、日々心がける事が一番の対策といえます。
また、同時に家の状態をまめにチェックすることも大切です。
家の床がおかしい、扉の開閉がスムーズに行かない、浴室など水周りで水腐れしているところがある、などといった事が確認されれば、それはシロアリによる被害かも知れませんので、早急な対策が必要です。
早めに業者に駆除依頼をすることで、大きな被害は免れるかもしれませんので、日頃から注意を払うようにしましょう。

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